日銀のETF購入。「今日は、日銀の買いが入った」とか「日銀砲」というキーワードをよく耳にしませんか。
でもこの日銀のETF買い。
なんとなく分かっているようで、あやふやな部分もあるかもしれません。今回は、これからも続く日銀のETF購入について、初心者の方にも分かりやすいように記事にしていきたいと思います。
もし宜しければ、読んでみてくださいね!
目次
日銀のETF買いって何?
そもそも日銀のETF購入って一体何なのでしょう?
もし私が小学生の娘に説明できれば、ある程度は自分の中で咀嚼出来ていることになると思いますので、そんな感じで進めていきますね。
まず疑問は次の3つ。
- なぜ日銀がETFを買うのか?
- 日銀はいくらETFを買うのか?
- いつ日銀はETFを買うのか?
ここから書いていきますね。
なぜ日銀がETFを買うのか?
日銀がETFの購入を始めたのは、2010年。株価を維持することで、経済の安定を図ることを目的に始められたのですね。今では年間になんと6兆円ものETFを買っています。(※コロナショックで上限が12兆円に引き上げられました)
日銀は、市場にお金を入れることで、「物価の安定」と「金融システムの安定」を目指しているのですが、このお金を入れる手段がETF 買いだと思うとよいようですね。
ETFを通じてお金を市場に入れると、なぜ「物価が安定」するか?というと、
市場の資金循環が改善したり、予想実質金利が低下したり、企業の資産価格が上昇するといった効果があるからだと言われていますが、この辺は考えれば考えるほど???ですね。
とりあえず、この辺にしておきましょう(笑)
もっと時代をさかのぼると、当時PKOという言葉が盛んに使われていたのを思い出すのですが、1992年の総合経済対策で公的資金による株式の運用規制が緩和されたのが始まりだといわれています。
バブル崩壊の後ですね。当時は大学生でしたか。株はもちろんやっていませんでしたが、言葉は耳にしていましたね~。
ちなみにPKOは、Price Keeping Operation(プライス・キーピング・オペレーション)の略です。
そもそもETFって何?
ETFとは、簡単に言うと色々な株がパッケージされた商品のことです。そのパッケージ商品につけられた指数が上場されて、株式市場で取引されていると考えるといいと思います。
例えば、お菓子の詰め合わせの袋がETF。その中に入っている、チョコレートやポテチ、キャンディーが個別株といったイメージでしょうか。
チョコレートやポテチの値段が上がると、お菓子のバラエティーパック袋の値段も上がりますよね!
だから、これと同じで、個別株の値段が上がると、ETFの値段も連動して上がる。下がれば連動して下がる、と考えると分かりやすいかな~と思います。
日銀がETF買うとなぜ株価が上がるの?
では、なぜ日銀がETFを買うと株価が上がるのか?を考えてみましょう!
さっき、個別株が買われるとETFも上がるというのは、お菓子パックの例で分かったと思います。この逆なのですが、結局は同じ原理になります。
日銀は、「ETFを買いますよ~」と言うのですが、何処で買うか?というと証券会社で買います。証券会社に注文を出すのですね。
でも注文を出すのは天下の日銀。そうです!注文の桁が違います!
証券会社は、「毎度あり~」っと喜んでETFを売りたいのですが、そんなに沢山のETFのストックがありません。つまり商品をそこまで持っていない。在庫がない状態なのですね。
でも、せっかく日銀がETFを買うと言ってくれているのだから、ETFという商品を大量に仕入れてこなければなりません。
ETFを運用する会社は、証券会社とは別にあるのですが、そのETF運用会社でETFを仕入れるために、証券会社は個別株を買うのです。そしてその個別株をETFと交換してもらうのですね。
流れを整理するとこんな感じです。
日銀→証券会社
ETF購入の注文
証券会社→日銀
①在庫があるETFを日銀に売る
②ETFを作るための個別株を買う
証券会社→ETF運用会社
買った個別株をETF運用会社でETFに交換してもらう
証券会社→日銀
調達したETFを日銀に売る
あくまでザックリ話すとですが、こんなイメージです。それ以上の難しいこと突っ込まれても困ります(笑)
詳しくは、「一般社団法人 投資信託協会」さんのサイトで勉強してくださいね!
ETFを構成する銘柄って、どんなのがあるの?
ここが一番気になりますよね。そうか!分かった。日銀がETFを買うと個別株が買われる!だから株価が上がる。じゃあ、どんな株価買われるのか?という事になりますよね!
過去の日銀のETF購入発表内容を表にまとめました。
買い入れ対象の欄を見ていただけますか?
東証株価指数(TOPIX)
日経平均株価(日経225)
JPX日経インデックス400(JPX日経400)
この3つが買い入れ対象であることが分かりますね。
2016年に設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETFの購入が発表されています。今後、こういう部分にも注目すると、狙う個別株のヒントになるかもしれませんね。
で、もっと深掘りするために、こんな記事を探してきました。
「株、午後に急騰目立つ 日銀のETF買いを材料視」- 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56892410X10C20A3EN2000/
日銀のETF買いは、日銀砲なんて呼ばれていますが、いつETFが買われたかは、このサイトで調べることが出来ます。
指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果 - 日本銀行
https://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm
この表から現在は、2日連続で買われている傾向が分かりますよね。あくまで傾向ですが。
日銀は、買い入れの基準を公表していないようですので、こういった発表後の資料を基に戦略を立ててみるのも面白いかもしれませんね。
例えば、日銀のサイトでETF買いがあった翌日に先ほどの記事にあったETF買いの影響が大きい銘柄を狙ってみるなどです。
※2020年5月15日 追記
この日は、3日連続の買い入れが確認されました。買い入れ額も1202億円→1005億円になっています。
少し傾向が変わってきているのかもしれませんね。
ちなみに、現在はTOPIXが前日比▲0.5%になると、日銀の買いが入る!という見方があって、前場の前半でそれが確定しそうだと、買いが入って前引けが、ちょうど-0.5%になるなど、面白い現象も見られます。
ロイター通信の下記の記事もご参照くださいね!
焦点:日銀ETF買いの新基準、TOPIX0.5%安との思惑浮上
https://jp.reuters.com/article/boj-etf-topix-idJPKCN1LT16R
※楽天証券 マーケットスピードⅡで作成
例えば、これは7451三菱食品の2020/4/16のチャートですが、
15日の日銀のETF買いを確認した後、16日のETF買いを推測。
そして、寄り付きで購入し、前引けで売却。
このパターンが結構な確率でいけるならデイトレ出来ますよね。(確認したわけでないので、あくまで例です)
こういった傾向を元に、ETFに組み入れられている銘柄かつ、あなたが注目する銘柄のチャート傾向から、デイトレードや2~3日のスイングで値幅を狙ってみる戦略もありかもしれませんね!
今回の記事のまとめ
日銀がETFを購入するとどんな銘柄の株価が上がるのか?をまとめていきます。
日銀のETF購入は、なんと年間で総額12兆円という金額に上限が引き上げられました。
日銀がETF購入を証券会社に発注すると、証券会社はETFを仕入れるために個別株を買い入れます。そのため、個別銘柄の株価が上昇します。
日銀のETF購入には、買うタイミングに傾向がありますので、日銀のサイトで発表を見ながら、買い入れ時期を推測し、個別銘柄の買いで上昇幅を狙う戦略も面白いかもしれません。