ラクスルは、減資から1年で上場しましたが、そもそも企業が株式上場するのには、どれくらいの準備期間が必要なのでしょう?
今回は、その点について少し調べてみました。
目次
株式上場の準備期間は?
上場に値するビジネスプランを持っていないといけないので、それが大前提になるのは当然ですが、上場を目指すのであれば、まずそういった専門の支援会社や証券会社に話を持っていくところからスタートすると思います。
証券会社に直接話を持って行って、内容に興味を持ってもらえるのが一番上場への期間は短くなると思うのですが、それでも最短で4年は必要になるようですね。
それは、上場審査の関係でいろいろと取り決めがあるからのようです。
例えば、その会社の株式を誰がどのくらいの割合で所有するか?これを決めることを資本政策というらしいのですが、これを決めるにも3期分の期間(3年間)の時間が必要になるようです。
仮に2025年に上場の申請を行うとすると、3期前の2022年までは第三者割当増資や株式の移動をフリーで行うことが出来るようなのですが、2期前の2023年になると第三者割当増資や株式の移動に制限がかかるとのこと。
これは、上場前にその企業の関係者が株を買って上場後に売ることで短期間に利益を上げることを規制する目的で行われているようですね。
1期前の2024年になると逆に、株式の保有者は上場後6か月後までは株を売ることが出来ない継続保有義務というのがあるようです。色々と難しい決まりがあるのですね。
ざっくりとしか書いていませんので完全な情報ではありません。正確なことが知りたい方は、「上場 継続保有義務」「第三者割当増資制限期間」などで調べてくださいね。
上場に必要な期間は5年間?
よくIPOをめざす企業のニュースで、「5年後の上場をめざす!」というフレーズを耳にしませんか?
こうして調べてみると、なるほどな~と感じます。いろいろな決まりがあって、最低でも4年は必要になるのですね~
これ最短で、ですもんね。ノーミスで進んでいって4~5年後に上場です。
その間には、会社の業績が順調に伸びていっていないといけません。もし、利益が右肩上がりになっていないと、そんな会社の株は誰も買わないので、主幹事になる証券会社がOKを出しませんよね。
5年という期間は、結構長いのでその間に色々なことが起こります。特にビジネスと取り巻く環境は、変化が大きいのでなおさら。
こうして考えると、すんなりと上場を果たすのは大変なんだな~ということが想像できますね。
企業も高く株を売りたい!
そんなことありえませんが、もし私たちが上場する側だったら?と考えると、やっぱり株を公開するときに高く売りたくありませんか?
上場する会社もまとまった資金調達をする機会はそうそうありませんし、主幹事の証券会社も株価が高い方が、手数料も多くなりますよね。きっと。
そのために、売り出し価格をいくらに設定るのか?などは真剣に考えるのだと思います。
そして、上場会社と証券会社で決めた基準価格を機関投資家に説明して行くことになると思うのですが、その会社の成長性や公開価格のバランスでそのIPO株の人気が決まっていくのでしょうね。
会社の成長性は、その時の景気にも左右されますから、今のような○○ショック!などの時期は、今後の成長性の前提が崩れる可能性がありますよね。
となると、思っていた価格で売れなくなる。売れないのだったら上場しても意味がないから上場を延期しよう。
景気が悪くなると、こういう流れになる可能性があることも想像することが出来ませんか?
前田製作所<6281>が急伸している。きょう付けの日刊工業新聞で、前田建設工業<1824>グループと、ナプラ(東京都葛飾区)が出資する接合材料製造・販売会社エムナプラが、「独自開発の次世代パワー半導体用接合材料を、ペーストやシートの接合材料や基板を製造する二次実装処理向けに4月以降量産する」と報じられている。前田製作所で材料となる粉末を生産し、エムナプラで製品化していることから、前田製作所にもプラスに働くとの見方から買いが入っているようだ。
記事によると、エムナプラでは同材料について、月間200キロ~300キログラムを出荷し、19年度で5億円の売り上げを目指すという。また、エムナプラは今後5年以内の新規株式公開を目指しているとあることもポジティブ材料視されているようだ。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201904050492
エムナプラの場合は、「今後5年以内の上場をめざす!」というニュースが出たのが、2019年4月。ここから5年だと2024年。
これは、準備がある程度進んだ後のニュースなのか?果たしていつ上場になるのか?本当に上場できるのか?
思惑が株価に絡んできますね。
ちなみに3~4年の準備期間を経て、東証に上場申請をすると承認までにだいたい約4か月かかるようです。
今回のまとめ
エムナプラの減資を見て、他の事例を調べてみるとラクスルの場合は、減資から1年で上場を果たしました。調べてみると株式の上場には、審査期間の前に3~4年の準備が必要なことが分かりました。
2109年4月に「エムナプラは、今後5年以内の上場をめざす!」という記事が流れましたが、現段階でどの程度の準備期間が経過しているのか?
世の中の景気も考慮したうえで上場は行うのか?もし本当に上場するならば、それはいつになるのでしょうか?注目して行きたいですね。