最近は、マザーズ銘柄の急上昇が目立ちますよね。個人投資家の多くは、マザーズ銘柄を取引するので、大きな含み益をあげている方も多いかもしれません。
今回は、最近好調なマザーズ銘柄について考えてみました。もし宜しければ、読んでみてくださいね!
目次
最近のマザーズ株の絶好調
先日の記事でも書いたのですが、4月に入ってから約3週間の日経平均とマザーズETFの上昇率を比較すると、なんとマザーズの方が約2倍も上昇しているのです!
なんとなく、「注目しているマザーズ銘柄が上昇しているな~」と感じていらっしゃる方は多いと思うのですが、こうして数字で見てみると、その大きさがよく分かりますよね。
マザーズ銘柄の急上昇の要因は、次の2つではないか?と考えています。
①コロナショックからの戻りで全体相場が回復基調
これは、NYダウやナスダック、日経平均の動きを見ても分かりますよね。
コロナショックでの大暴落から全体相場が戻している状況ですので、それに呼応する形で小型株であるマザーズも上昇しています。
②外出制限で個人投資家の「巣ごもり投資」が増加
これが今回の特殊な要因の一つではないかと思うのですが、コロナショックで前代未聞の非常事態宣言が出され、外出制限が行われているということです。
普段仕事が忙しく、場中を見られないサラリーマンも相場を見ることが出来るのです。そんな人が相当数の割合で増えていることが想像できませんか?何せ前代未聞の出来事が今起こっているのですから。
いつもはデイトレがやりたいのに出来ない人も参加しているのでは?と私は見ているのです。そうなると自然とマザーズの取引が活況になると思いませんか?
もう一度さっきの日経平均とマザーズETFの表を見ていただけますか。
東京都の小池知事が、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が出された場合に都がとる対応について、記者会見で説明したのが4月3日。
グラフの上昇開始の時期と一致しているのですね。
ここから考えると、全国に非常事態宣言が出されたのだから、もっと多くの個人投資家が参戦する!だから買いだ!
という考え方もあるかもしれません。実際に来週も上がるかもしれませんよね。
でも、買ったとしてもいつまで持っているのか?私は過去の経験からここを決めておく事が大切な時期だと感じているのです。
人気銘柄の数字からの考察
ここで、マザーズの人気銘柄の時価総額と4月からの上昇額・上昇率、そして年間売上を見てみましょう。
今月のマザーズ上昇率上位15社です。
今週のマザーズ上昇率上位15社です。
今月の上昇15社を表にまとめて、現在の時価総額が直近1年間の売り上げの何倍か?を調べてみました。
こうして表にしてみると、改めて最近の傾向が分かりますね。コロナショックの影響で市場が何を求めているのかが一目瞭然です。
業種として目立つのは、医薬品・情報通信業・サービス業の3つ。
最近の情勢からして医薬品は当然として、情報通信業やサービス業で上昇している銘柄でも多くが医療分野に関係していますね。
逆にこういう時にそれ以外の分野で上がってきている銘柄は、興味深いです。
例えばこの中では、「フロンティア・マネジメント」は企業のMAをコンサルする会社。
なるほどコロナショックで、体力のない会社のMAが活発になる可能性を先取りしているのかな?とか、
バリューデザインは、キャッシュレス決済のポイント関連事業が好調で、これが好感されている様子。ポイント還元はもう織り込まれていても、もし経済対策でポイント還元が延長されたら先取りしていると面白いかも?
など、表からヒントを得て調べてみるのも楽しいかもしれませんね。
医薬品分野は、新型武漢ウイルスのワクチン期待から上がっているのが分かります。
ただし、上がっている銘柄が全て新型ワクチンの開発で将来収益があげられるのか?は、しっかりとチェックしないといけませんね。
特にバイオ・医薬品の分野は、未来への期待で株価が上昇します。まだ、売上が立っていなくて赤字が先行しているのに、将来への期待という思惑から株価が上昇するのですね。
この表を作ろうと思ったきっかけは、最近のマザーズの上昇が気になったので、売上と時価総額の比率を調べようと思ったのがきっかけです。
表の黄色の部分を見てみると、時価総額が年間の売上高の10倍以上になっている銘柄もたくさん出てきていますよね。
お恥ずかしいのですが、私は株を始めたころは、こんなことも知らずに周りの雰囲気で買ってしまい、そのまま保有していると信じられないくらいの下落に巻き込まれて泣く泣く損切・・・という痛い経験もしてきました。
ですからこれから株を始める方は、こういうことにも注意や考慮をしたうえで、自分が良いと判断する株を買ってくださいね。
決してバイオ・医薬品株がダメだと言っているわけではありません。様々な指標から、多角的に冷静に株価を見ることの重要性を言いたいだけですので、もし保有されている方は、ご気分を害されないようにご理解くださいね。
今回のまとめ
マザーズ銘柄の時価総額と年間売上高の関係についてまとめていきます。
株価が上昇することはうれしいのですが、いつまでも上昇が続くとは限りません。
景気が本当に良いときは幅広い銘柄に買いが入り出来高が増えるのが特徴です。でも今は、日経の主力大型株のみ出来高が増えています。
その状況で、マザーズが伸びているというのは、少し市場のゆがみを感じてしまいます。
「巣ごもり投資」は、普段デイトレを出来なかった人の短期トレードの割合が増えているという仮説を立てるならば、短期的にはOKでも中期でマザーズ銘柄を持っている人は危険水域に入っている可能性も考慮しないとけないかもしれませんね。