目次
株で利益を上げるには買うタイミングが重要
株を始めたばかりの方に特に気を付けてほしい事の1つに「株を買うタイミング」があります。
株は、安く買って高く売れば利益が出るのですから、出来るだけ安く買いたいと思いますよね。これは当たり前の事です。
そんなことくらい、いくら初心者でも分かっている!そう思われたかもしれませんね。実は、私も株を始めた頃そう思っていました。
でも、周りの多くの人が「今は安くなっているから買いだ!」と言っている同じタイミングで買っているはずなのに、気が付けば含み損を抱えている。
同じころに買った人たちは、儲かった!といっているのに、自分は損をする。こんなことがよくありました。「今は株が安い時期」という意味が、分かっているようで分かっていなかったのです。
あなたは、いつその株を売るつもりですか?
「安く買って高く売る」これが基本ですから、安く買えたとしてもいつ売るのか?を決めておかなければ、高く売れません。
考えてみたら当然なのですが、上がり続ける株はないのですね。ですから、買う前から売る値段も決めておかなければならないのです。
でも株を始めたころは、こういう基準も曖昧なまま購入してしまいがちなのです。
【MEMO】1.買う前から売る値段を決めておく
「この価格になったら売る!」という価格を決めていても、そこまで株価が上昇しないことは、よくあります。
自分の都合で株価は動いてくれないのです。でも始めたころは、自分の決めた目標をかたくなに待ってしまう事があります。
あとちょっとで目標価格というところまで行ったけど下がって行ってしまう。でもまた上がってくるだろう!と思って待っているうちにズルズルと下がって含み益もなくなる。そうこうしているうちに、日経平均の急落がきて一気に含み損。よくあるパターンの1つです。
これを経験すると今度は、少しの含み益が出たらすぐに利確してしまい、「少ししか利益が出ない」「その後株価が一気に急上昇」「取り損ねた~」という逆の経験をします。
こうなると、もう何を信じていいのか分からなくなってきます。
ですからもう一つ決めておかなければいけないことがあります。
【MEMO】2.含み益が出たら、ストップを置いて利益保全する
株を購入するときに、損失を限定するためにロスカットのストップを置くことは大前提なのですが、利益にもストップをかけていきます。
※トレーリングストップ
価格の変動に応じてストップの価格を上げていく方法のことです。
【例】
購入価格 1000円
目標価格 2000円
ロスカット 850円
こういう設定をして株を買ったとしましょう。
幸いなことに思惑通りに株価は上昇して1200円になりました。目標価格は2000円なので、まだまだ遠いですね。
でも買った値段からは、20%も上昇しています。ここでロスカットの価格を850円から1000円に引き上げるのです。
このまま上がり続けて欲しいですが、そうなるとは限りません。こうしておくことで、”損はしない”事になりますよね。
その後株価は順調に上がり1500円になりました。50%の利益はうれしいのですが、目標のまだ半分です。でもここから株が下がるかもしれません。
そこで再びストップ価格を1250円に上げます。すると、もしそこから株価が下がってきても250円の利益は確保することが出来ますよね。
このように一定の利益を保全しながら大きな上昇を狙っていく方法をトレーリングストップといいます。
あともう一つ決めておかなければならないことがあります。
【MEMO】3.いつまでに売るか決めておく
チャートをイメージしてくださいますか?「価格」は縦の軸ですね。縦の動きは、これまでの話で設定済です。
でも「横の軸」は、まだです。横の軸は何か?というと、そう「時間」になります。
いつまでも上がり続ける株はないのですから、価格の設定と共に時間の設定もしなければなりません。案外ここを忘れがちになります。
もしあなたが買った株が、いつまでたっても上にも下にもあまり動かず、同じ価格を行ったり来たりしていたら、どうなりますか?
全然儲かりませんよね。利益の出ない株をいつまでも保有しておくことは、リスクにしかなりません。(※配当目的の投資の場合は、また別の話です)
いつかは上がる!と思って持ち続けていたら、○○ショックで相場全体が大暴落して一気に大損!ということもあるのですね。
ですから、出口戦略として「価格」と「時間」の2つを決めておくことが大切なのです。
有名な投資家が買うタイミングは買いの時期?
株式投資を始めると、色々な情報収集をするようになると思います。
有名な評論家の意見や著名なトレーダーの売買の情報も耳に入ってくるでしょう。
情報収集をしていると、「どうも多くの人が今は買いだと言っているな!」と感じる時期があると思います。
日経平均のチャートを見ても、自分でも今は絶好の買い時だ!と思えて仕方ありません。
こうなるとあなたは、株を買いたくて買いたくて仕方がなくなります。
でも、ちょっと待ってください。あなたが買うタイミングは、本当に今なのでしょうか?
なぜ同じ時期に買ったのに含み損になるのだろう?
私は、株を始めたころ不思議で仕方がなかったことがあります。
それは、周囲の多くの投資家が買いだ!という時期に自分も買ったはずなのに振り返ってみると全然儲かっていないのです。
でも、周りはかなり利益が出た!という話をしているのです。
最初にお話した「今は株が買いのタイミングだ!」の意味が分かっているようでわかっていなかったのは、ここにポイントがあります。
つまり「安い」という基準が人によって違うのです。
例えば、20000円だった日経平均が17000円になったとします。価格だけ見たら確かに安いですよね。小学生が見ても分かります。
でも17000円の株価が20000円に戻るという前提で考えたら「安い」だけなのです。
多くの人が、株価が元に戻ると考えていて、「安い」と感じてるだけなのかもしれません。もしかすると15000円まで更に下がるかもしれませんよね。
もう一つの理由は、日経平均自体が安く感じる価格に下がっていても、人それぞれ狙っている銘柄が違うことです。
有名なトレーダーが買っている株とあなたが買おうとしている株は、同じではありません。
日経平均が安くても、その個別銘柄はもしかすると割高かもしれませんよね。
もし、有名トレーダーと同じ銘柄を同じ時期に買ったとしても、あなたが利益を出せるとは限りません。
それは、先ほどお話しした「時間設定」が同じではないからです。
20000円だった日経平均が17000円になった。今は買いだ!と話している専門家は、これから1か月後の事を話しているのかもしれません。
でも、あなたが1年後を目標にしているのであれば、話が全く違ってきますよね。
「1か月後に確かに日経平均は、18000円まで戻したけれど、1年後には15000円になっていた」ということも充分考えられます!
同じ時期に同じ株を買っていたとしても、その人はデイトレードかもしれません。1週間のスイングトレードかもしれません。
あなたがじっと保有している間に、とっくに売ってしまっているかもしれませんよ!
マザーズ指数と日経平均の動き
多くの個人投資家は、大口機関投資家と違って資金量が少ないので、中小型株で値動きの良い株を取引するようになってきます。
東証マザーズの銘柄が個人投資家に人気なのは、このためなのですね。
ここで注目しないといけないのは、日経平均とマザーズ平均の値動きが必ずしも一致していない!ということなのです。
大きく捉えたら、日経平均が上がっていたら同じようにマザーズ平均も上がっているのですが、その上昇率が全く違うことがあるのです。
※日経平均とマザーズETFの相対比較
マザースは青のライン幅。日経は赤のライン幅です。同じ期間でもマザーズが急上昇していることが分かりますよね。
これが、ずっと続くと思って買い続けていると、日経が下げに転じた時にそれ以上の大きな下落に巻き込まれることもあります。
マザーズ銘柄の時価総額と年間売上高の関係について
最近は、マザーズ銘柄の急上昇が目立ちますよね。個人投資家の多くは、マザーズ銘柄を取引するので、大きな含み益をあげている方 ...
続きを見る
この点も「周りのみんなが買い!」と言っていても「本当にそうか?」と疑わないといけないポイントの1つです。
有名な投資家は、あくまで日経平均が今は安い!と言っているだけかもしれませんよね。
株を始めたころは、この部分が分からずに混同してしまいがちなのです。
今回の記事のまとめ
「今は本当に株を買う時期?~株初心者の方が気を付けること~」をまとめていきます。日経平均などの全体相場が下がって、周りの多くが買い時だ!と話していても自分にとっての買い時とは限りません。
それは、目標とする銘柄も価格も時間軸も異なるからです。
自分が時間軸を長くとって、長期での投資を考えているのであれば、周囲の安い!という声が正しくないこともあります。
このことを理解したうえで、周囲の話に耳を傾けるようにしていきましょう!