「雇用統計」っていうキーワード。よく耳にしますよね。でも、それはあなたが株式投資をしているから。
多分、投資をしていないとアメリカの雇用についての数字なんて、全く意識しないで生活するのが普通だと思います。
でも、この雇用統計。株を始めて、とても重要な指標なんだな~と分かっていても、なんとなく数字を見ているだけ!という方も多いかもしれません。
恥ずかしながら、昔の私はそうでした(笑)そこで今回は、株を始めて間もない方にも分かりやすいように、米国雇用統計についてまとめていきたいと思います。
もしよろしければ、読んでみてくださいね!
目次
米雇用統計って何?
米・雇用統計とは、アメリカの雇用に関する複数項目の経済指標。これををまとめた総称のことなんですね。
基本的には、毎月第1金曜日に発表。日本時間で夏は21時半、冬は22時半に発表されます。(※月によっては、変則的になることもあるので、チェックしましょう!)
ちなみに、アメリカのサマータイムは、3月第2日曜の午前2時〜11月第1日曜の午前2時となっているので、この間であれば日本では夜の9:30に発表!ということになりますね。
雇用統計の指標はどこで見ることが出来るの?
私は雇用統計の数字の確認は、ヤフーファイナンスで行っています。
>ヤフーファイナンス>FX/為替>経済指標
の順で進んでいくと確認することが出来ますよ!
※ヤフーファイナンスから
雇用統計の中で注目される指標は?
さっき、雇用統計は、数項目あるといいましたが、どんな項目があるかというと
- 「建設業就業者数」
- 「製造業就業者数」
- 「小売業就業者数」
- 「金融機関就業者数」
- 「週労働時間」
- 「平均時給」
- 「米・非農業部門雇用者数」
- 「米・失業率」
こんな項目があります。
この中でも特に重要なのが、「米・非農業部門雇用者数」と「米・失業率」。
この2つの指標は、マーケットからとても注目されているのです。
ヤフーファイナンスで発表される経済指標に、雇用統計の中でこの項目が含まれているのもそのためなのですね。
※ヤフーファイナンス
雇用統計は、どうやって調べるの?
雇用統計は、全米の約16万の企業、政府機関から約40万件のサンプルを元に調査されるといわれています。
その中でも重要な「非農業部門雇用者数」なのですが、これは字を読んだ通り、農業以外で雇用された人の数のことです。
米国では業績に応じて人員調整する企業が多いので、この「非農業部門雇用者数」が「増えると景気が良い!」「減ると景気が悪い!」という具合に景気との連動性が高い指標として重要視されているのですね。
40万件のサンプルとなっている、各事業所の給与支払い帳簿を基に、労働省がとりまとめて発表する経済指標なので、信ぴょう性が高いと思われているのでしょうね。
雇用統計の指標を株式投資に活かすには?
「そうか分かった!アメリカで毎月第1金曜日に発表される雇用統計は、経済の重要な指標なんだな」
となれば、その情報をあなたの株式投資にどう活用するか?
これが大切になりますよね。
基本的には、指標で良い数字が出たら株は買われて株価が上がる。悪い数字が出たら株が売られて株価が下がる。
このスタイルは間違いありません。基本的には、です。
先ほどのヤフーファイナンスの経済指標をもう一度見ていただけますか?
※ヤフーファイナンス
上の欄に「予想」ってありますよね。
これは、経済アナリストが、その月の雇用統計がどんな数値になるかを事前に予想していているのですね。そして雇用統計は、とても重要な指標なので、この事前予想を株価は織り込んでいるのですね。
だから雇用統計の発表があった時に、仮に数値が良くても、事前予想よりも悪かったら、失望して売られてしまうこともあるのです。
個別株の決算発表に似ていますよね。
私も株を始めたころは、このことがよく分かっていなくてやられましたね~
「なんだよ!織り込み済みって!!」と文句を言っていました(笑)
確かに「数字がいいから買いだ!」って、そんな単純だったら誰でも儲かりますよね。株式投資は、そんなに甘くないということを教えられました😅
もし、あなたが当時の私と同じなら、
- 事前予想の数字と比較して雇用統計の結果は、どうなのか?
- 予想した数値に対して最近の株価がどう動いているのか?
も確認してくださいね!
株価が直近で大きく上がっているとしたら、期待値としてその数字はすでに織り込まれているので、
「良い結果でも予想と同じ数字だと下げ」、「万が一悪い数字だと、大きく下げ」というケースも考えられますよ!
ちなみにザックリの計算で、プラス15万人だと景気が良いという判断がされています。
先ほど話したようにサンプルが約40万人(件?)ですから、その数字に対する相対比率でそうなるのでしょうね。
雇用統計は為替にも大きな影響が
アメリカの雇用が世界経済に与えるインパクト
どの国でも雇用の状況は、経済に大きな影響を与えます。雇用が安定しないと人は消費をしませんよね。すると景気低迷に繋がる。だから雇用の状況は重要視されるのです。
特にアメリカでは、経済の7割を個人消費が占めるといわれていますよね。アメリカ経済は、世界のGDPの20%を占めるわけですから、
20%×0.7=14%
なんと世界経済の14%に影響を与える数字となると、注目されて影響度が高くなるのも納得ですね!
世界の経済大国であるアメリカの景気が悪くなると世界中の企業の業績に影響が出るのですから。
雇用統計の結果を踏まえてFRBの金融政策が議論される
中学校の公民の教科書でも習いましたが、景気が悪くなると、国は景気回復のための金融政策を行いますよね。
主な金融政策は、次の3つ
- 金利を上げる、下げる
- お金の供給を増やす、減らす(マネーサプライ)
- 公共事業を行う
アメリカの中央銀行である米国連邦準備理事会(FRB)は、金融政策の決定にあたり、この「米国雇用統計」を非常に重要視しているのです。
で、アメリカが、これらの金融政策を行うと米ドルにも影響が出ますよね。ドルは、世界の基軸通貨なので、とうぜん日本円にも影響がでます。
ちなみに雇用統計発表後には、為替が大きく動くことがあります。
例えばドル円では、1円以上も動くこともあるので、もしFXをするのであれば、雇用統計前はポジション管理に要注意ですね。
FXをしていなくても為替が1円も動けば「日経平均にも変化出る→個別株にも変化が出る」となるので、要注意は変わりませんね。
一般的には、国の金融政策では、景気が良いと政策金利を上げて、景気が悪いと金利を下げます。
金利が上がると、あなたはどうしますか?
高金利の商品を欲しいと思いませんか?
どこかの通貨を選ぶとしたら「高い金利で安全な通貨を買いたい」ですよね。
だからもしアメリカの金利が上がると、投資家は「ドル買い」に走る傾向があってドル高になります。
反対に金利が下がると、金利を少ししかもらえないので「低い金利の通貨は手放したい」と考える投資家の「ドル売り」が起こりドル安になる傾向があるのですね。
今回の記事のまとめ
アメリカの雇用統計とは何?よく聞くけど株式投資にどう使うの?をまとめていきます。
基本的に第一金曜日に発表されるアメリカの雇用統計は、経済に与える影響が大きいので大注目のイベントです。
雇用統計は、複数の指標から成り立つ総称なのですが、その中でも特に「非農業部門雇用者数」と「失業率」は重要です。
雇用統計は、米国連邦準備理事会(FRB)の金融政策にも大きな影響を与えます。そのため発表後には、為替が大きく動くこともあります。
為替が動くと株価指数も動くので、株式投資を行う人は確認必須となります。