皆さんは、信用取引をされていますか?
個人が少ない資金を上手に運用するためには、確かにレバレッジ、てこの原理を使うことも大切ですよね。
でも、私は中長期にわたって株を保有する場合には、絶対におすすめしません。
今回は、その理由について書いていきますね!
目次
中長期投資に信用取引をおすすめしない理由とは?
時間軸が長くなるほど、何が起こるかわからない
中長期スイング投資では、その名の通り長い期間株式を保有することになります。長い時間軸では、当然いろいろなことが起こりますよね。
2000年代の初めに起こったITバブル、2008年のリーマンショック、そして2020年のコロナショックなど、この20年を振り返ってみても株の暴落が起こっているのが分かると思います。
誰にも未来は予測出来ませんもんね。私たちが、テンバガーの大化け株を狙うには、ある程度の時間が必要になります。
ちょっとイメージすれば分かることですが、今日買った株が半年後に10倍になる可能性はとても低いですよね!
でもこの当たり前のことを株を買ったとたんに忘れてしまいがちになってしまいます。そんなに簡単にテンバガーを達成できないからみんなが憧れるのですよね。
中長期スイング投資手法では、まず中長期投資から入ります。つまり最低3~5年はその株を保有することを前提に株を買うのです。
思惑通りに買った時から上昇が続いてくれれば、こんなにハッピーなことはないのですが、上がり続ける相場はありません。このチャートのように買った後に相場の下落に巻き込まれる可能性も十分にあるのです。
そのことを考慮したうえでリスクをとって、それ以上の10バガーというリターンを目指していく方法なのですね。
ですから株をいつ買うか?という時期の見極めがまず大切ですし、ある程度の含み損を抱える可能性を最初から想定して買わないといけないのです。
となると中長期保有の場合は、現物取引が基本となりますよね!
投資にはリスクがつきものです。でも私たちはリスクを許容しつつ、それ以上のリターンをとっていかなければなりませんよね。
信用取引で自己資金の約3倍の取引をしていた場合、利益が出ているときはウハウハですが、いったん下落に巻き込まれると資金のすべてを失ってしまうことになります。
これから株取引を始める方がいらっしゃったら、このことを絶対に忘れないでくださいね!
制度信用取引には6か月の期限がある
信用取引には、制度信用取引と一般信用取引の2つの方法があります。制度信用取引は、期限があって6か月以内に決済しなければなりません。決済とは反対売買のことですね。
もし、あなたが買建していたら半年後には必ず売らないといけないのです。
6か月後に買った株が下がっていない保証なんてありませんよね。ですから、この点も信用取引が中長期保有にはNGであることが分かると思います。
もう一つの一般信用取引には期限がありません。
無制限で買建や売建のポジションをキープすることが出来ます。でも信用取引の買建の場合には、金利が発生してそれを支払わないといけないのです。株を借りている状態ですからそうなりますよね。中長期スイング投資ですから当然買建になります。
支払わなければならない金利は、証券会社によって違いますが、だいたい2~3%程度必要です。
ちょっと計算してみましょう!
例えば100万円の株を買ったとします。
金利が3%だとします。
2週間の短期取引だと
100万円×3%×14日÷365日=1150円
これならアリですよね。
でも1年間だとどうなるでしょう?
100万円×3%×365日÷365日=30000円
当たり前ですが年利そのまんまですよね。
もし順調に株価が伸びていて10%のリターンがあったとしてもそのうち30%がなくなるということになってしまいます。
100万円×10%=10万円
10万円ー3万円=7万円
こう考えると金利の大きさが改めて実感できませんか?
更に税金を考えると・・・
ここから約20%引かれるのですから
7万円ー2万円=5万円
損失になる可能性を許容して株式投資をしているわけですから、税金は仕方がないとしてそれ以外の経費は極力減らしたいですよね!
ロスカットできなかった時の損失が膨大に
株式投資をするときには、ロスカットをすることがとても大切なのですが、人は損失を簡単に受け入れることが出来ません。
私も全く受け入れられません(笑)
でも、ロスカットは必ずやらないといけない場面がやってきます。その時に信用取引でレバレッジをかけているともう大変です。
ここでもちょっとイメージしてみましょうか?
100万円の資金があって3倍の300万円分の株を持っていたとします。
仮に10%値下がりしたとしましょう。(※テンバガーを狙うのですから10%程度の下げは当然許容範囲です。)
300万円×10%=30万円
あなたの資金
100万円ー30万円=70万円
あっという間に減ってしまいます。
売ってなければこの段階では含み損30万円の状態です。でも信用取引のルールで買った金額の30%は口座にないといけないことになっています。
更に10%下がって合計で20%値下がりしたとしましょう。
300万円×20%=60万円
あなたの資金
100万円ー60万円=40万円
最低でも口座に30万円入っていないといけません。
あとちょっとの値下がり(この場合だとあと3・3%)でいわゆる「追証」が発生してしまいます。
追証とは、この場合でいうと、最低の30万円を維持するために足りないお金を口座に入れることです。もし、そのお金がないと強制的にロスカットとなって約70万円の損失が確定となってしまいます。
信用取引が全てにおいてダメだと言っているわけではありません。デイトレードなどの短期取引では、個人が少ない資金を活用するために有効な手段だと思います。でも取引の手法によって使う道具は変えないといけませんよね!
以上が、中長期スイング投資では信用買いを行わない方がよい理由です。我々は、相場から退場することなく未来で大きな利益を手にしないといけません。これから投資を始める方は、是非とも充分に留意してくださいね。